不動産投資初心者が知るべき2026年経済動向とマンション市場の見通し
記事の要約:
金利上昇やインフレ、再開発の加速など、2026年の日本経済は不動産投資にとって重要な転換点を迎えています。「今から始めても遅くないのか」「金利が上がるとマンション投資は不利なのか」──こうした疑問を抱く初心者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、2026年の経済環境とマンション市場の動向を整理しながら、不動産投資を判断するうえで欠かせない視点をわかりやすく解説します。表面的な情報に振り回されず、本質を理解することで、投資判断のリテラシーを一段引き上げることができる内容です。
午年の動向は
さて今年2026年は午年(うまどし)です。前回の午年は2014年でした。2012年からのアベノミクを推進する安倍総理が衆院を解散し、第47回衆院選では自民党の勝利となりアベノミクスによる金融緩和により円安・株高が進みました。
また消費税が2014年4月に5%から8%に引き上げられた年でした。
午年と言えば、株式相場の格言には「辰巳天井(たつみてんじょう)、午尻下がり(うましりさがり)」と言われており、これは 「辰年(たつどし)と巳年(みどし)は株価が上昇し、午年は株価が下がりやすい」という意味です。
この格言通りに2025年12月には株価は5万円前後となるなど2025年の巳年には大きく上昇しました。午年の株式市場は果たして格言通りになるのか目が離せないところです。
ちなみに2014年の午年の日経平均株価は格言通り動かず年末終値は上昇で終わりました。
インフレは進むか
高市政権は2025年12月に補正予算に基づく大型の経済対策を決定しました。物価高対策、投資促進、安全保障など様々な分野で構成されています。子供のいる家庭への給付金や電気・ガス料金の補助など家計への援助、ガソリン・軽油の暫定税率廃止や年収の壁の引き上げなどが予定されています。
このように高市政権においては家計における可処分所得を高めて「経済を活性化⇒需要の高まり」を目指しています。需要が高まるという事はもちろんインフレの要因になりますが、景気の好循環を目指すためにも必要な政策となります。
金利は上昇傾向に
日銀は2025年12月18、19日の金融政策決定会合で政策金利の引き上げを決定しました。既に2025年1月に0.5%に引き上げられており、さらに今回は0.75%へと2回目の引き上げとなりました。
こうした金利引き上げの要因として、まず円安が挙げられます。日米金利が開いており低金利である日本の円が売られる傾向が続き円安へとつながっています。円安はインフレの大きな要因ともなっており、金利の引き上げは急務となっていました。
さらに財政悪化懸念を背景に国債を売る動きも加速しており、長期金利上昇の要因となっています。
金利引き上げの動きは少し前からありましたが、トランプ関税による混乱の中でやや遅めの動きとなりました。今回0.75%に引き上げられても未だ米国との金利差は存在し、円安の歯止めに効果があるかは未知数です。
為替相場の動向によっては今後の金利は1%まで引き上げられると予想されていますが、高市政権では金融緩和政策を掲げていますので更なる金利引き上げは経済動向を見極めてからの事となると考えられます。
2026年において最も注目されるのは春闘における賃金アップの動きです。賃金アップ・消費の活性化・企業の収益増強などのサイクルの確立が改めて認識される年となると考えられ、巡行速度でゆるやかな金利上昇が見込まれます。
金利上昇が不動産市場へ与える影響は
金利上昇が不動産市場、特にマンション市場へ与える影響について見てみたいと思います。
前述の通り日本では金融緩和政策により低金利が継続しており、世界中から日本の企業や不動産などに投資資金が流入しています。特に都心部の商業を中心に資金が流入し地価上昇の要因ともなっています。
住宅ローンも大変低い水準にあります。今回は利上げとなりましたがまだまだ低金利圏にあり、住宅ローンを利用したマンション購入意欲は依然高いと考えられます。
またマンション投資に利用される投資用ローンについても金利上昇による影響は限定的と考えられます。
しかし今後も金利上昇は続く可能性もありますので、変動金利型のローンは金利上昇による若干の返済額の上昇もある程度予想しておく必要もあります。緩やかな金利上昇時代を迎え、今年は金利上昇に強いマンションを選択する眼力が求められます。
つまり多少金利が上昇しても賃料が上昇したり、資産価値が上がりやすいマンションの立地や建物を選択する事が求められると考えられます。
このような金利環境を踏まえ、不動産投資では立地や賃貸需要を重視した物件選びがより重要になります。
地価・建築費・マンション価格は
近年、東京など都心部を中心に地価上昇が続いています。さらに建築費の上昇も続いており、地価の上昇と合わせてマンション価格への影響も大きくなっています。
建築人件費は人手不足を背景に上昇が続いており、さらに円安が続けば建築費への影響も大きくなってきます。
こうした地価・建築費の上昇から特にファミリーマンションの価格上昇が大きくなっており、都心部では億ションを超える「スーパー億ション」も多く出現しています。
低金利による不動産への資金流入も続き、都心部のマンションは一般庶民には手の届かない存在となりつつあります。そのため従来下町であった都心周辺部の交通利便性の高いエリアにタワーマンションを建設する動きも多くなっています。
投資用マンション市場に目を向けてみると、将来の年金財政は厳しさを増しており、老後の備えに対する自助努力がますます必要になってきています。政府はNISAやiDeCoなどを推奨していますが、ワンルームマンション投資の需要もますます高まってくると考えられます。
現在マンション投資市場では都心部の超高額物件と、利回りを重視した都心周辺部物件の二極化が進んでいます。都心部のタワーマンションなどでは転売を目的としたキャピタルゲイン目的の投資も見受けられます。
2026年もワンルームマンション投資は供給が減少する中、さらに需要の高まりから市場は活況を呈していくと考えられます。
大きく発展する今後の東京の未来図
東京五輪が終了後、2025年も東京都心のみならず首都圏では広域的に再開発が加速しました。さらに新線・新駅の誕生も含め今やアジアの東京首都圏から世界の東京首都圏へ、その存在価値が年々高まっています。2026年以降も多くの再開発プロジェクトが控えており、これから不動産投資を始める方にとっても大きな期待や夢が膨らみます。
以上述べさせて頂きました通り2026年も日本経済、不動産投資業界にとって、金利上昇というネガティブ要因もあるものの、総じて大きな発展が期待できる年と考えられます。2026年は午が後ろ足で蹴るような躍動感に満ち溢れた年になる事を期待したいと思います。
今年も皆様にとって良き一年になりますように祈念いたします。
執筆:野中 清志(のなか きよし)
住宅コンサルタント
マンションデベロッパーを経て、2003年に株式会社オフィス野中を設立。
首都圏・関西および全国でマンション購入に関する講演多数。内容は居住用から資産運用向けセミナーなど、年間100本近く講演。