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金利7%は当たり前、投資家は男性ばかり…30年前の常識はもう古い!激変した東京不動産投資のリアル

「危険な暑さ」が続くように、私たちの常識は年々アップデートされていきます。それは不動産投資の世界も例外ではありません。今から約30年前、ローン返済額の9割が利息に消え、投資家といえば中年男性が当たり前だった時代があったことをご存知でしょうか。

本コラムでは、様変わりした東京の街並みを車窓から眺めつつ、駅や人の価値観の変化、そしてローン金利という決定的な違いまでを徹底解説。過去の常識が通用しない「今」だからこそ知っておくべき、不動産投資の新常識をお届けします。

車窓から見える光景が劇的に変化してきた

かつて新宿駅から中央線で中野まで乗車してくると大久保駅・東中野駅を通過するごとに徐々に西新宿の超高層ビル群が遠のいていきました。

しかし近年では中野坂上まで超高層ビル群が進出しまるでアメーバのように西新宿の街と中野坂上の街が融合してきたという感覚です。

そしてそこで話は終わらず、現在においては中野駅南口には住友不動産を中心とする超高層ビル、さらに北口においても大規模再開発・タワマン建設、公共インフラの建替え事業(中野サンプラザは建築費高騰により計画自体が頓挫している状態です)も含め中野駅エリアが広域的に見れば西新宿エリアと融合しつつあるとも言えます。

また読者の皆さんも同じように思う所があると思いますが、東海道新幹線で東京に向かう最中、品川駅から東京駅までの新幹線から見る車窓の光景はまさにビルとビルがひしめき合うように乱立し新幹線の車窓から見えるきらびやかな夜間の東京タワーの光景はほんの数秒しか見る事ができません。

このように東京都内においてはびっしりと無駄なく(?)効率良く(?)できた建物となっており、昔では考えられないような光景に変わりつつあります。

駅の価値が大きく変わった

駅の役割は当然の事ながら鉄道を利用するためにある訳です。しかし近年においては都市計画法や駅構内における容積率の緩和などにより上層階のみならず駅によっては地下の空間も広がり、より一層空間利用度の効率性が高まりつつあります。

ずばり言うと駅そのものが「街化」してきたと言う事です。駅中にはありとあらゆるサービス業(飲食、物販、サービス、医療、金融、行政)などがありちょっとした駅中にコンパクトな街が出来上がっている訳です。

これにより通勤帰りなど駅中で買い物をして用事を済ませてから帰宅できますので、極めて利便性が高まってきています。実は駅中の進化は周辺の不動産の価値を高める事に繋がっている事に気づきます。

例えばAというマンションは最寄り駅に何の施設もない駅、Bというマンションは多くの施設が揃っている駅とします。AとBはそれぞれ同じ徒歩10分ですが、利便性の高い駅の10分は時間そのものに「付加価値」が加わる訳です。このように東京における多くの駅がどんどん街化して不動産の価値を押し上げている事が分かります。

ちなみに筆者の感覚ですと、駅中にアトレなどの商業施設がある駅は女性にも人気がありワンルームマンションの立地としてはとても優れていると感じます。

外国人が格段に増えた

筆者が幼少の頃は日常生活において生の外国人に合う事はまず考えづらく、たまに見かけるとまるで宇宙人に遭遇したかのような感覚になった事が記憶にあります。

近年においては電車の中、街中、飲食店、どこに行っても日常的に多くの外国人の方々と触れ合う機会が増えています。

驚く事に筆者の不動産投資セミナーにおいても最近では日本語が話せる外国人投資家が非常に増えており、特に多いのが中国系の方、インド系などです。

そして投資用不動産の賃貸入居者においても外国人の方が非常に増えています。日本はいつのまにか多国籍民族になりつつあるのではないかと錯覚する程です。

巷でよく言われる少子高齢化という問題は多くの外国人留学生・労働者がその問題をかき消してくれるのではないかと思えてきます。

女性投資家が急増した

今から20年30年前にはワンルームマンション投資など投資の顧客層はその大半が中年以上の男性でした。筆者が招かれて講演させて頂く投資セミナーにおいても女性の方は100人中大体5~6人という感覚でした。

ところが近年では特に30代の女性投資家がとても増えてきています。その背景にはいくつかの要因が考えられます。

まず労働市場における女性も活躍ができる企業、業態のすそ野がとても増えた事、またITの進化により主婦の方で自宅でも仕事ができる方が増えた事、また政府の指針により各企業における女性の管理職の割合が増えてきており、年収の高い女性がとても増えた事などが挙げられます。

その結果、各不動産会社は女性も意識した販売促進資料、物件のデザイン、スペックのデザインなど女性からも一定の支持が期待できる物件がとても増え、各不動産会社における女性社員の割合もとても高まっています。女性の感覚、感性で作り上げたマンションを女性の投資家が購入し、その女性が女性の賃貸入居者に貸し出すような構図も一定割合あるようです。

金利の低下によって新たな発見とは

今から20年前30年前は金利がとても高い時代で、それは郵便貯金の利息、住宅ローンの借入れ利息などもとても金利が高い時代が続きました。

例えば今から35年前は不動産投資系ローンの金利は7%前後で推移していました。ちなみに1,000万円を35年のローンで金利約7.08%で借りると、毎月の返済が約6万4,500円となりますが、第1回目の返済においては何と5万8,976円が利息となり、元金返済に充当できる部分はわずか5,480円となります。90%以上が利息となった訳です。

2年経過しても90%が利息に充当されました。簡単に言うといくら返済してもいっこうに元金返済が進まなかった訳です。

なぜこんな条件の良くないローンを多くの人が借りたかと言うと、その理由は二つあって、一つは節税目的、二番目が5~6年程度の短期転売目的が主流の時代だったからです。

現在の不動産投資系のローンは金利も2%前後で推移していますが、金利2%で仮に3,000万円借入すると毎月返済は99,378円となり、利息と元金は以下のようになり、50.3%が利息となります。金利7%時代と比べてローンに占める元金返済の割合が高く有利である事が分かります。同じ不動産投資でも金利の差は大きな差異を生む訳です。

不動産投資ローンの返済額における元金と利息の比較:
(3,000万円借入、元利均等35年返済・ボーナス払いなし)

金利1回目
2%毎月返済額99,378円
元金49,378円(49.6%)
利息50,000円(50.3%)
7%毎月返済額191,656円
元金16,656円(8.6%)
利息175,000円(91.3%)

以上述べてきたように時代の変化と共に私達が気づかない所で様々な場面で大きく変化してきた事が分かります。過去の状況を知る事により、現在がどのような状況にあるかも理解できますので、今後の不動産投資の参考にして頂ければ幸いです。

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